令和の米騒動、17万トンの米が行方不明?
農水省のデータはあまり信用しない方がいいかもしれません。
日本経済新聞(2025/1/31)「消えたコメ」茶わん26億杯分 在庫分散、国も把握できず
統計から試算すると、少なくともコメ約17万トン(お茶わん26億杯分)が市場に出回らず「行方不明」になっており、価格高騰につながっている。新たな買い手の台頭と在庫の分散で、状況把握に苦労する当局の姿が浮かぶ。
農水省にとって誤算だったのは、流通するとみていたコメが「消えた」ことだ。JAを含む大手の集荷業者が農家から買い集めた24年産米は24年11月末時点で192万トンと前年に比べて17万トン(9%)少ない。農水省の担当者は「この17万トンがどこかに流れているはずだが、分からない」と指摘する。
![]()
コメはどこに消えたのか。農水省は食糧法に基づきJAや大手集荷業者、卸会社の在庫状況を毎月調査している。今回の「コメ騒動」では調査対象外の中小事業者や外食、新規参入者が少しずつ在庫を抱え、見えにくくなった。24年夏以降、コメの品薄を受けてJAだけでなく中小の集荷業者や卸、外食などが産地へ調達に走った。
つまり、農水省が公表している在庫量のデータは、実際に世の中にある在庫量より少ない可能性があるということだと思います。
11月時点で17万トン分の在庫量が把握できていないということは、年間だとその数倍の量が把握できない可能性があります。
令和6年6月末の在庫量が153万トンというのも、実際にはもっと多い可能性もあります。
在庫量のデータが信用できないと、需要量の数字も信用できません。
インバウンドの増加で需要の増加はあったにせよ、14万トンも増えていない可能性もあります。
現時点では、今年も需給がひっ迫する(夏頃になるとまた米騒動が起きる)と決めつけない方がいいかもしれません。
政府は備蓄米の放出を検討しているようですが、
石破首相が表明「政府備蓄米の放出」で米高騰収まるか?
「消費者のみなさんにコメを安定的に供給し、価格を落ち着かせるため、一定期間後に買い戻すことを条件に政府備蓄米を集荷業者に売り渡すことができる仕組みを導入する」
結局は実際の需要と在庫の状況次第だと思います。
大量に在庫をかかえた業者は、端境期になっても6年産の在庫があまり減らない状況だったら、「政府が備蓄米放出の準備に着手」などという報道が出たらバーゲンセールを始めるかもしれません。
逆に、本当に米がない状況になったら、いくら備蓄米を放出しても焼石に水の可能性もあります。
とりあえず、今後の米の動向には要注意だと思います・・